リノベーションの成否を左右するのは、デザインでも素材でもなく「どの会社に託すか」です。ひと言で“リノベーション”といっても、会社ごとに得意分野や提案力は大きく異なります。「工務店」「ハウスメーカー」「リノベーション専門会社」といったタイプによっても、強みや注意点も明確に違いがあります。
自分たちに合ったリノベ—ション会社を選ぶには、まずは会社のタイプを知ることが大切です。重視するポイントに合ったタイプの会社を選びましょう。リノベーション会社を選ぶ際に押さえておきたい比較ポイントを体系的に整理し、信頼できるパートナーを見極める視点をご紹介します。
リノベーション会社にはタイプがある
既存住宅のリノベーションを依頼できる会社は、大きく5つのタイプに分かれます。それぞれの特性を理解しておくことで、自分に合うパートナーが見つけやすくなるでしょう。
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1. ハウスメーカーのリフォーム部門
大手ブランドならではの安心感と保証体制が魅力的です。設計・施工・管理の仕組みが整っており、品質のばらつきが少ないのが特徴。一方で、間取りや仕様の選定の幅は限定的になりがちです。
全国規模のネットワークを活かした技術力と、最新の建材・設備を導入できる研究開発力。施工品質の標準化が徹底されており、どの地域でも一定レベルの仕上がりを期待できるでしょう。
コストは高めですが、長期保証やメンテナンス体制を重視する人には向いています。
2. 工務店
地元の職人や建材ネットワークを活かした柔軟な対応が可能です。気候・風土に合った設計提案が得意で、例えば雪・湿気・寒暖差への配慮といった地域性を反映した工夫を期待できます。
コストを抑えつつ、きめ細やかな施工管理ができるのも大きなメリット。担当者との距離が近く、長期的な関係を築きやすい環境が整っています。
ただし、デザイン提案力は会社によって差があるため、あらかじめ施工事例などで確認しておきましょう。
3. リフォーム専門会社
水まわりや内装など部分リフォームが中心で、現場対応が早く、相談から着工までのスピード感があります。費用感や工期を明確に提示できるのも強み。
キッチンやお風呂、トイレといった特定分野に特化した豊富な実績と技術力があり、メーカーとの連携による最新設備の導入もスムーズ。パッケージ商品を活用した分かりやすい価格設定で、予算に応じた選択肢も豊富に用意されています。
暮らしの困りごとに寄り添える対応力がありますが、大規模な間取り変更や構造変更は得意としていない場合が多いでしょう。
4. 家電量販店
店舗で設備の展示品を見ることができ、パッケージ価格が明確で費用がわかりやすいのが特徴。キッチンやお風呂などの設備交換が中心で、家電との連携を考えたトータル提案に期待できます。IHクッキングヒーターや食洗機などの組み合わせ提案も得意。営業時間が長く、平日の夜や週末でも相談しやすいのもメリット。
ただし、施工は外部業者への委託が一般的で、品質にばらつきが生じる可能性も。デザインや間取り変更などは弱い傾向があり、全体的な提案が難しく、500万円以上の大型工事には対応できないケースがほとんどです。
5. リノベーション専門会社
設計・デザイン・施工を一社で完結する"ワンストップ型"が特徴。リノベーションの実績が豊富で、打ち合わせがスムーズ。トータルバランスの良い提案が可能です。
専門会社だけにデザインや空間構成の提案力、技術力が高いレベルで期待でき、古い住宅の構造を理解した上での改修提案や、法的な制約を考慮した設計など、専門性の高いサービスが魅力といえるでしょう。
比較の基本 ― 失敗しない会社選びの5つの軸
数多くあるリノベーション会社の中から信頼できる1社を選ぶには、次の5つの視点で比較するのが効果的です。感情的な判断ではなく、客観的な基準をもって検討することが重要になります。
1. 会社の考えと自身の考えが合っているか
まずは、会社の理念やコンセプトをしっかり確認しましょう。そこに共感できるかどうかが大切です。
会社のホームページや施工事例を見て、どのような価値観で家づくりに取り組んでいるかを読み取ってみてください。「デザイン重視」「コストパフォーマンス重視」「自然素材重視」など、会社ごとに特色があります。自分たちの暮らし方や価値観と合致する会社を選ぶことで、満足度の高いリノベーションが実現できるでしょう。
また、社長やスタッフのメッセージから、家づくりに対する想いや姿勢を感じ取ることも重要です。お客様との関係性をどう捉えているか、住まいづくりを通して何を実現したいと考えているかなど、表面的な商品説明を超えた部分に注目してください。価値観の合わない会社に依頼すると、打ち合わせがスムーズに進まず、理想の住まいから遠ざかってしまうリスクがあります。
2. 実績と得意分野
施工事例などで実績を確認し、得意な工法やテイストが自身の趣味嗜好に合うかどうかをチェックします。
築年数や構造が似ている物件の施工事例があるかも重要なポイント。木造・鉄筋コンクリート造・鉄骨造では、それぞれ異なる技術や知識が必要になるためです。また、和風・洋風・モダンなど、好みのテイストでの施工実績があるかも確認しておきましょう。
施工事例を見る際は、単にビフォー・アフター写真だけでなく、工事の背景にも注目してください。どのような課題があり、どう解決したかという過程が重要です。同じような悩みを持つ施主の事例があれば、自分の家でも同様の解決策を期待できるでしょう。また、年間の施工件数や創業年数も信頼性の指標になります。経験の蓄積が豊富な会社ほど、予期せぬトラブルにも的確に対応できる可能性が高くなります。
3. 担当者の知識量
構造や法規に関する質問にすぐ答えられるか、設計者・現場監督と連携し、技術的な判断ができる担当者かどうかを見極めます。
単なる営業ではなく、「建物を理解している人」に任せられるかが重要です。耐震性や断熱性、法的な制約など、専門的な内容についても分かりやすく説明してくれる担当者であれば安心できます。分からないことがあっても、すぐに専門家に確認して回答してくれる体制があるかも確認しておきたいポイントです。
担当者との相性も見逃せません。リノベーションは長期間の付き合いになるため、コミュニケーションが円滑に取れる相手かどうかが重要。専門用語ばかりを使わず、施主の立場に立って分かりやすく説明してくれるか、こちらの要望を正確に理解してくれるかなど、人間性の部分も含めて判断しましょう。また、レスポンスの早さや約束を守る姿勢なども、信頼関係を築く上で大切な要素です。
4. 施工体制と品質管理
自社施工か外部委託か、現場監督や職人の体制が明確かどうかをチェックします。工程ごとの報告や写真管理が行われているかも重要な判断材料です。
施工中の進捗報告がきちんとされるか、問題が発生した場合の対応体制はどうなっているかなど、具体的な管理方法について確認しておきましょう。品質の良いリノベーションを実現するには、しっかりとした施工管理が欠かせません。
職人の技術レベルや経験年数、継続的な関係性があるかも重要なポイント。一人親方や下請け業者任せではなく、会社として品質基準を設けているかを確認してください。また、第三者機関による検査体制があるか、施工ミスがあった場合の責任の所在は明確かなども事前に確認しておくべき事項です。現場の清掃や近隣への配慮といった、工事以外の管理体制も会社の姿勢を表す重要な要素になります。
5. アフターサポート
自社施工か外部委託か、現場監督や職人の体制が明確かどうかをチェックします。工程ごとの報告や写真管理が行われているかも重要な判断材料です。
施工中の進捗報告がきちんとされるか、問題が発生した場合の対応体制はどうなっているかなど、具体的な管理方法について確認しておきましょう。品質の良いリノベーションを実現するには、しっかりとした施工管理が欠かせません。
職人の技術レベルや経験年数、継続的な関係性があるかも重要なポイント。一人親方や下請け業者任せではなく、会社として品質基準を設けているかを確認してください。また、第三者機関による検査体制があるか、施工ミスがあった場合の責任の所在は明確かなども事前に確認しておくべき事項です。現場の清掃や近隣への配慮といった、工事以外の管理体制も会社の姿勢を表す重要な要素になります。
リノベーション専門会社は他の会社とどう違う?
工務店・設計事務所・ハウスメーカーと比較すると、リノベーション専門会社には明確な特徴があります。その違いを知ることで、自分に合う依頼先が見えてくるでしょう。
| 項目 |
ハウスメーカー |
工務店 |
リフォーム専門 |
家電量販店 |
リノベーション専門会社 |
| 強み |
安心感+保証 |
コスパ+地域対応力 |
部分改修+スピード |
設備重視+手軽さ |
提案力+専門性+地域対応力 |
| 提案力 |
規格的 |
現場重視 |
実用+デザイン |
実用 |
専門的かつ柔軟+デザイン |
| コスト |
高 |
中〜低 |
中〜高 |
低 |
中〜高 |
| アフター |
体制的 |
迅速 |
安定 |
体制的 |
安定+迅速 |
リノベーション専門会社とは?
設計・施工・インテリアを一社で管理し、設計知識が豊富で技術的なことも含めたトータルでの提案が可能です。完成後の仕上がりに統一感があり、トータルコーディネートに優れています。
既存建物の構造を活かしながら、新築では難しい個性的な空間づくりが得意。古い建物の構造的な制約や法的な規制を理解した上で、最大限の可能性を引き出す提案力があります。また、専門的な知識を持つスタッフが常駐しているため、施工中に発生する想定外の問題にも柔軟に対応できるのが強みです。
一方で、デザインや素材の自由度が高く、その分コストアップしやすい側面もあります。外部設計や地元施工業者と連携する場合、地域特性への配慮が薄れるケースも。アフターサポートの拠点が遠い場合、緊急対応に時間がかかることもあるでしょう。
リノベーション専門会社である永家舎の強み
永家舎は、福井に根差したリノベーション専門会社です。地域特性を踏まえた設計が得意で、距離の近い関係性で住まいを長く見守る体制を整えています。
初回ヒアリングから建築デザイナーが対応し、施工・保証まで一貫体制で進めています。県産材の活用と地元の職人による安心の施工で、「快適・安心・美しさ」の融合を実現。リノベ後のメンテナンスも自社で一貫対応し、ハウスメーカーと工務店のイイとこどりを目指しています。
リノベーションだけでなく、グループ会社として建て替え等の相談対応も可能です。永家舎のような地元工務店ならではの強みは、"距離の近さ"と"地域対応力"。それに加えて、永家舎には専門会社ならではの提案力と技術力があります。
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リノベーションの会社、どうやって比較する?
比較のコツは情報を集めるだけでなく、同じ条件で"見て・聞いて・比べる"こと。主観ではなく、基準をもって判断することが後悔のない選択につながります。
1. 情報収集
公式サイト・SNS・口コミ・施工例をチェックし、展示会や見学会に参加して空間のスケール感を確認しましょう。同地域の施工事例を参考にすることで、より具体的なイメージが湧きます。
インターネットの情報だけでなく、実際に足を運んで体感することも重要です。写真では分からない素材の質感や空間の広がりを確認しましょう。
2. ヒアリングの準備
予算・要望・譲れない条件を明確にしておき、図面や写真を持参して具体的に伝えましょう。提案内容・説明の丁寧さを観察することで、会社の対応力が見えてきます。
曖昧な要望では的確な提案を受けることができません。家族それぞれの要望を整理し、優先順位をつけておくことが大切です。
3. 比較と判断
3〜5社に同条件で見積依頼をし、価格・仕様・担当者知識を表で比較します。"最も信頼できる会社"を選ぶことが後悔のない決断につながるでしょう。
単純に価格だけで判断するのではなく、提案内容の質や担当者との相性も重要な要素。長期的なパートナーシップを築ける会社を選びたいものです。
福井でリノベーション会社を選ぶなら
雪や湿気、寒暖差など、福井ならではの自然環境に対応できるか――地域密着型かどうかは大きな判断基準になります。
地域に根差したリノベーション会社なら、積雪・湿度・風向などを踏まえた設計、地元気候を知る職人による丁寧な施工が期待できます。間取りや動線、細部の納まりなど、長く快適に暮らせる工夫も重要なポイントです。
福井の冬は雪が多く、湿度も高い特徴があります。結露対策や断熱性能、除雪のしやすさなど、地域特性を理解した設計が必要になるでしょう。また、緊急時の迅速なアフター対応も、地元密着だからこそ実現できるメリットです。
地元の建材や職人のネットワークを活用することで、コストを抑えながら品質の高いリノベーションが可能になります。福井の木材や伝統的な技術を活かした提案も期待できるでしょう。
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まとめ
リノベーションの成否は、会社選びで決まります。ハウスメーカーは保証力、工務店は地域対応力、設計事務所はデザイン性、専門会社はワンストップの効率――どれを重視するかで最適なパートナーは変わるもの。
福井のように気候や地域性が暮らしに影響するエリアでは、地元をよく知る工務店の存在が大きな意味を持ちます。永家舎は、設計から施工・アフターまでを自社で担うことで、安心と品質の両立を実現。地域に根ざした専門性と、リノベーション会社ならではの提案力を併せ持つパートナーです。
見学会や相談会を通じて、"会社選び"の違いをぜひ体感してください。理想の住まいづくりを、信頼できるパートナーとの出会いから始めましょう。