活かしてリノベーションするなら、できるだけ自然の素材を使いたい。自然素材ならではの質感や空気感は、福井の気候や風土にもよくなじみます。
自然素材のメリットとデメリット

化学物質をなるべく使わず、木・土・紙といった自然由来の素材を用いた家。本物だけが持つ温もりや表情は、室内環境と住む人の心に大きな影響を与えます。
自然素材のメリット
自然素材は、空気をきれいに整えてくれるのが最大の特徴です。五感になじみ、肌ざわりが心地よく、梅雨時や夏でも床がベタベタしにくいのも魅力。小さなお子さんやアレルギー体質の方にもやさしい住環境を実現できます。
自然素材のデメリット
気温や湿度の変化にともない、反ったり、収縮したりと形が変わります。経年による色の変化も、素材の特徴として受け止められる人にはよいのですが、なかには気になる人もいるようです。
自然素材を使ったリノベーション
永家舎でよく使用する素材には、以下のようなものがあります。
無垢材(木):床・天井・造作などに使用
漆喰や中霧島(土):左官仕上げの塗り壁
和紙(紙):和紙クロスや障子紙、照明カバー、畳などがある
い草 :昔ながらの畳
リノベーションで自然素材を積極的に採用することは、既存の住宅に新しい息吹を吹き込むことにもつながります。当然、家じゅう全部に使えることが理想ですが、現代のリノベーションにおいては、ご予算やライフスタイルに合わせて「ちょうどよく取り入れる」ことも考えていかなくてはなりません。
無理にすべて自然素材にするのではなく、一部分だけでもいいですし、無垢板ではなく突板のフローリングを選ぶなど、できる範囲で取り入れていく方法も、私たちが提案させていただきます。
ただ、日本の伝統的な様式を備えた和室に関しては、できるだけ自然素材だけで仕上げたいですね。
福井の地域風土と自然素材の相性
福井は湿度が高く、四季の寒暖差も大きいため、調湿性のある自然素材とは好相性。素材が持つ通気性や保温性も、快適な室内環境づくりに貢献してくれます。
山や海、川、田園の多い福井の景観にも、木や土などの質感はよくなじみます。雪深い冬を越え、新緑の季節を迎える。そんな自然とともに暮らす福井だからこそ、自然素材の魅力がより生きてきます。
また、福井は越前和紙や漆器、若狭塗、めのう細工といった多くの伝統工芸が息づく土地でもあります。自然の恵みを住まいに取り入れることは、この“地域の文化を受け継ぐ”ことでもあるのではないでしょうか。
デザイン性だけでなく、機能性や住み心地も含めた素材選び。家族構成や生活習慣、メンテナンスへの考え方まで含めて、最適な組み合わせを見つけていく。
自然素材の家は、住む人とともに歳を重ねていきます。時の流れとともに深まる味わいを、ぜひ多くの皆さんに楽しんでいただけると幸いです。
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