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「2階をなくす」という選択。暮らし広がる平屋リノベーション。
2025/12/25
「老朽化した2階をなくして平屋にしたい」「広すぎる二世帯住宅を、今の暮らしに合わせて整えたい」。そんな声が増えています。
"減らす"ことで、暮らしの質を高める——。永家舎は、構造や断熱、意匠、暮らし方を見直すなかで、2階建ての家を快適な平屋へと再生するリノベーションを提案することがあります。
福井の風土に寄り添いながら、これからの時間にふさわしい住まいを描く。それが、減築による「平屋リノベーション」です。
"2階をなくして平屋にする"リノベーション
平屋リノベーションは、"減らす"のではなく"整える"発想です。2階をなくして平屋にする工事は、構造の安全性・断熱・動線を一体で見直す再生設計。
まず、既存の柱や梁の状態を調べる構造診断が出発点です。2階部分を撤去することで建物の重心が下がり、耐震性が向上する場合もあります。建物全体のバランスを考慮しながら、安全性を確保した減築計画を立てていきます。
屋根を新しく組み直す際には断熱・気密を高め、冷暖房効率を改善して冬も暖かい住まいへ。福井の厳しい冬を考慮した断熱設計で、1階だけで完結する快適な居住空間を実現します。
さらに、暮らしの中心を1階に集約します。階段をなくすだけでなく、寝室・洗面・収納を一直線にまとめ、移動のしやすい快適な動線を描きます。年齢を重ねても無理のない、ゆとりある暮らし方が自然と生まれます。
それが永家舎の考える、暮らしを再構築する平屋リノベーションです。
なぜ、2階を減築するのか？
2階をなくす理由は、老朽化やライフステージの変化など人それぞれです。"暮らしを見直すきっかけ"としての減築が、いま注目されています。
関連記事：リノベーションで減築するのはどんなとき？
老朽化した2階部分を撤去
築年数の経過とともに、雨漏り・結露・構造劣化が進むのが2階部分です。特に福井のように雪が多い地域では、屋根への負荷も大きく、老朽化が進みやすくなるため、修繕を繰り返すよりも撤去した方が合理的と判断される場合があります。2階部分を減築により建物の重量が軽くなることで、耐久性が上がり、地震や台風で崩壊するリスクもなくなります。当然、長期的に見るとメンテナンス費用も大幅に削減できます。古い2階部分の断熱性能は現在の基準と比べて劣ることが多く、冬場の暖房効率も悪化しているため、減築により建物全体の断熱性能を現代基準に引き上げることが可能になります。
二階建てを夫婦の老後のための平屋に
階段の昇り降りをなくすだけで、暮らしの安心感は大きく変わります。足腰に不安を感じ始めた時期でも、平屋であれば住み慣れた家で安心して過ごせます。寝室や浴室を1階に集約すれば、老後もストレスなく暮らせる住環境が整います。年を取ると2階へ上がることがなくなるため、老朽化を遅らせる目的もあります。使わない空間を維持するコストを削減し、本当に必要な部分に費用を集中できます。
2階建ての雪降ろしは危険なので、平屋にリノベーションするお客様も多くいらっしゃいます。福井の豪雪地帯では、屋根の雪降ろしが高齢者にとって大きな負担となります。平屋にすることで、この危険な作業からも解放されます。
二世帯住宅を減築して単世帯向けに
子どもの独立や同居解消を機に、広すぎる家を減築したいという相談も増えています。二世帯住宅として使われていた空間を減築により整理し、夫婦二人にちょうどよいサイズの住まいへと再構築。必要な機能を残しながら、暮らしやすさを追求した間取りに変更できます。
使われなくなったスペースを削ることで、掃除やメンテナンスの負担を減らせます。
広すぎる家は冷暖房費もかさむため、コンパクトにして光熱費を抑える効果も期待できます。解体費用が高騰している現在、コンパクトにしてから次世代へ残すという考え方はとても現実的ですよね。
減築リノベーションのメリット・デメリット
減築リノベーションは、"快適さ"と"効率性"を同時に手に入れる方法です。一方で、構造や費用面での注意も欠かせません。両面を理解しておくことで、後悔のない選択へつながります。
減築リノベーションのメリット
修繕コストが軽減建物の表面積が小さくなることで、将来的な塗装や屋根工事の費用を大幅に削減できます。特に福井のように気候が厳しい地域では外装のメンテナンス頻度も高くなるため、その効果は顕著に現れます。2階建てから平屋になることで、長期的に見るとメンテナンス費用の負担は大幅に軽くなります。
耐震性が向上
2階部分を撤去することで建物全体が軽くなり、地震時の揺れも小さくなります。既存の基礎や構造体への負担も軽減されるため、建物の安全性が向上。建物の重心が下がることで、地震による転倒リスクも軽減されます。古い2階建ての場合、現在の耐震基準に適合していないことも多いため、減築により現代の安全基準に近づけることも。
冷暖房効率の改善
暖める・冷やす空間が減ることで、光熱費は大幅に削減されます。減築と同時に断熱改修を行えば、さらなる省エネ効果を期待できます。福井の寒い冬では特に効果が大きく、2階への熱の逃げがなくなることで1階の暖房効率が格段に向上します。新しく施工する屋根断熱により、夏の暑さ対策も万全に。
バリアフリー化
階段がなくなることで、車椅子での移動も可能になります。将来の介護を見据えた住環境整備としても有効です。段差のない生活は、小さなお子さんやご高齢の方だけでなく、日常の家事動線もスムーズになります。洗濯物の上げ下ろしや掃除機の持ち運び、重い荷物の移動など、毎日の負担が軽減される効果も見逃せません。
暮らしの質が向上
無駄な空間がなくなることで、掃除や管理が楽になります。本当に必要な機能だけに絞ることで、より質の高い住環境を実現できます。使わない部屋の電気代や暖房費もかからず、家全体に目が行き届くため防犯面でも安心。コンパクトな空間は家族の距離も縮め、自然とコミュニケーションが生まれる住まいになります。
減築リノベーションのデメリット
コストが上がる2階を撤去した後の屋根工事は、新築と同等の費用がかかることがあります。構造的な補強工事も必要になるため、トータルコストは高くなりがちです。さらに、解体工事では廃材の処分費や重機の使用料も発生し、想定以上の費用になることも。既存部分との取り合いが複雑になるため、新築よりも手間がかかる場合があります。
外観バランスが変わる
元々2階建てとして設計された建物を平屋にするので、プロポーションが不自然になることがあります。周囲の景観との調和も考えながら外観を再構築する必要があるため、設計者のデザイン力が求められる工事になります。外壁材の継ぎ目処理や色合わせも技術的に難しい課題となります。
実例紹介｜永家舎が手がけた平屋リノベーション
永家舎が実際に手がけた、2階建てを減築して平屋へ再生した事例をご紹介します。この事例では、老朽化が進んでいた2階部分をあえて残さず、今後の生活動線を考えても必要性が低いことから、平屋への減築リノベーションを実施しました。
全体はコンパクトになりながらも、LDKは十分な広さを確保。回遊動線を取り入れたことで移動がスムーズになり、家事のしやすさや将来の介助・介護にも配慮した“無理のない暮らし方”が叶う間取りへと再構築しています。
外観は木の質感を活かし、周囲の景観に自然と馴染む落ち着いた佇まいに。
平屋へと生まれ変わったことで重心が下がり、より端正でやさしい雰囲気が際立ちました。減築によって敷地の空や緑との距離感も生まれ、四季の移ろいをより身近に感じられる、福井の風景にしっとりと溶け込む美しい住まいが完成しています。
» 2階建てを平屋にリノベーション｜リノベーション実例
平屋にリノベーション vs 平屋に建て替え
平屋を実現する方法は「リノベーション」か「建て替え」か。どちらが正解ではなく、建物の状態と暮らし方で判断することが大切です。
リノベーションの強み
コストを抑えられる既存の基礎や柱を活用することで、建て替えよりも大幅にコストを削減できます。愛着のある立地や庭をそのまま残せるのも、リノベーションの大きな魅力です。
性能向上が可能
思い出のある家の良い部分を残しつつ、断熱性能や耐震性能を現代水準に向上させることができます。完全に新しくするのではなく、"育ててきた家"を継続して住み続けられます。
建て替えの強み
間取りの自由度が高い一から設計するため、理想の間取りを追求できます。最新の建築技術や設備を導入しやすく、長期的な快適性も確保しやすくなります。
断熱・耐震性能の向上
現行の建築基準法に完全に適合した、安全で高性能な住宅を実現できます。将来的なメンテナンス計画も立てやすくなります。
判断の基準
構造体の健全性既存建物の柱や基礎の状態が判断の分かれ目になります。構造診断により、リノベーションが可能かどうかを正確に把握します。
敷地条件・法規制
建ぺい率や容積率の変更により、建て替え後の建物が小さくなってしまう場合は、リノベーションの方が有利なこともあります。
予算と工期
リノベーションは建て替えよりも工期が短く、仮住まいの期間も短縮できます。総合的なコストパフォーマンスを比較検討します。
思い入れがあるか
家族の歴史が刻まれた家を残したいか、それとも全く新しい住まいで新たなスタートを切りたいか。価値観による選択も重要な要素です。
永家舎では、調査のうえで"建て替えを勧める"場合もあります。大切なのは、どちらが長く愛せる暮らし方かという視点です。
減築せずにリノベーションで平屋暮らし
ただ平屋で暮らしたいという場合で、コストなどの問題で2階の減築が難しい場合、2階を撤去せずとも、1階中心で"平屋的に暮らす"方法もあります。
関連記事：平屋の魅力をもっと引き出すリノベーション
1階中心の暮らしを設計する
寝室・浴室・収納を1階に集約し、生活に必要な機能をすべて1階で完結させる間取りに変更します。2階は物置や趣味室などに限定し、階段を上がらなくても生活できるように。日常的に使わない季節用品や思い出の品は2階に収納し、普段の暮らしは1階だけで十分に豊かになるよう設計します。将来的に2階を使わなくなっても、不便を感じない住環境を整えます。
吹抜けやスキップフロアで"立体的な平屋"に
上下をゆるやかにつなぐ設計で、光と風が行き渡る開放的な空間へ。階段を緩やかにしたり、中間階を設けたりすることで、2階建ての立体感を活かしながら平屋の快適さを実現します。吹抜けにより1階に十分な採光を確保し、2階部分も物理的には存在するものの、暮らしの重心は1階に置くことができます。
減築リノベーションのリアルな注意点
減築や構造変更を伴うリノベーションで知っておきたいポイントを整理します。確認申請の必要性
2階を撤去して屋根を組み替える場合、一般的に構造変更を伴うため建築確認申請が必要になります。
ただし、改修後に延床面積が200�岼焚爾諒寝阿砲覆襪覆豹柔蘇塒廚離院璽垢發△蝓△修両豺腓砲聾挫曚離瓮螢奪箸呂茲蠡腓�くなります。
構造への理解
安全性が失われないよう、設計士の知識と経験が必要不可欠です。木造在来工法、2×4工法、鉄骨造など、工法によっても減築の可能性や方法は大きく異なります。
特に福井のような豪雪地帯では、雪荷重を考慮した構造設計が重要。減築後も安全に住み続けられる構造計画を立てることが何より大切になります。
資金計画のポイント
減築リノベーションは、想定外の工事が発生する可能性もあります。だから、余裕を持った資金計画をすることが重要。現地調査で起こりうる問題を事前に把握し、予備費を設けておきましょう。
減築により固定資産税が下がる場合もあるため、ランニングコストも含めた総合的な資金計画を立てておくことをおすすめします。
関連記事：リノベでありがちな“想定外”を小さくする『住まい診断』
永家舎の"暮らしを見つめ直す"設計思想
永家舎のリノベーションは、"古い家を直す"ではなく、"暮らしを描き直す"という発想から始まります。
風や光の入り方、土地の記憶、素材の質感——それらを丁寧に読み取り、構造・断熱・動線を再構成します。福井という土地の特性を理解し、四季を通じて快適に暮らせる住環境を追求します。
「減らす」のではなく「整える」。必要なものだけを選び、余白を生かす設計です。物理的な広さよりも、心地よさや使いやすさを重視した空間づくりを大切にしながら、自然素材の質感と断熱性能のバランスを追求し、四季を通じて快適な室内環境を実現します。福井の厳しい冬でも暖かく、夏は風通し良く過ごせる住まいへ。
対話によって住まい手の想いを丁寧に汲み取り、未来を見据えた"平屋という暮らし方"を共につくり上げていきます。
まとめ
2階をなくすという決断は、暮らしを小さくすることではなく、これからを豊かにするための再構築です。減築により生まれる平屋は、単にコンパクトになるだけでなく、より質の高い住環境を実現します。
小さくして、広く豊かに暮らす。永家舎は、福井の風土と家族の未来を見据えながら、構造・断熱・意匠を一体にしたリノベーションで、"減築から始まる上質な平屋暮らし"を実現します。
減築による平屋暮らしに関心のある方は、永家舎へご相談ください。
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