かつて、2階建ては一部の富裕層や都市部の住宅向けの構造であり、敷地が広くとれる郊外では平屋が定番でした。
しかし、昭和50年代に入ると、建築技術の進歩にともない2階建ての住宅が主流に――。
今でも、郊外には古い平屋の家が多く残っており、その平屋がリノベーションによって“おしゃれに、現代的に”"生まれ変わっています。
上階を支える必要がないため、構造的制約が少なく、間取り設計の自由度が高いのが平屋の大きな特徴。壁を取り払ってオープンな間取りにするなど、既存の空間を広く活かすことができます。
平屋を新築するよりも、既存の平屋をリノベーションするほうがコストを抑えられるケースも少なくありません。基礎や構造体を活かしながら、間取りや性能・設備を現代レベルにアップデートすることで、住み心地を大幅に向上させることができます。
ワンフロアだから、庭との距離が格段に近くなります。リビングから直接ウッドデッキや庭へ出られる開放感は、平屋ならでは。外構も含めて計画することで、暮らしに"外"が自然に入り込む心地よさを実現できます。
リノベーションにも予算があります。家全体の断熱性を高めるのが難しいようなら、実際に使用するエリアだけ断熱区画を。平屋の特徴を活かしたオープンな間取りなら、冷暖房効率も格段にUPします。
昭和に建てられた平屋の多くは、どことなくあか抜けない『公民館』のような外観が多いです。それを、素材や色づかいの工夫によって、現代的でおしゃれな佇まいに。近隣の景観にも調和する、美しい平屋に生まれ変わります。
それでは、2階建ての家を平屋にリノベーションすることは可能なのでしょうか?
構造には手を加えずに、2階建ての家を1階だけで暮らすスタイルにリノベーションするという方法があります。寝室を1階へ移動させ、日当たりや通風も考えながら、間取りを一新。日常生活を1階だけで完結したいという方におすすめです。
2階を撤去し、完全な平屋に変えるという大胆なリノベーションも、技術的には可能です。2階部分や小屋裏の老朽化が著しい場合、将来の維持管理を考えて、この手法を取ることが多いです。
(『減築による平屋リノベーションは、高い技術力の証』参照)
もともとある『平屋』という“家の形”を活かしながら、自分らしい空間や見た目に変えていく。そんな平屋リノベーションで、機能的なメリットだけでなく“美観”や“心地よさ”も含めた平屋の魅力を、もっと引き出していけたらいいですね。
関連記事:減築リノベーションの種類と費用
関連記事:平屋みたいに暮らしたい
FOLLOW US ON Instagram
FOLLOW US ON FACEBOOK