寒い福井で、暖房器具として冬の室内を暖めてくれた薪ストーブは、春の訪れとともに役目を終えます。しかし、その存在価値は一年を通じて続いています。
先日、オフシーズンを迎えた薪ストーブのメンテナンスについてお話しさせていただきました。
(『オフシーズンには薪ストーブに「ありがとう」を』参照)
今回はオフシーズンだからこそ見えてくる、薪ストーブの新たな魅力について考えてみたいと思います。
鋳鉄の独特な風格と、アンティークなデザイン。薪ストーブの佇まいは、夏になってもリビングの主役として堂々とした存在感を放ちます。
モダンな室内のアクセントとして鎮座する、薪ストーブ。福井のリノベーションでは古民家の伝統的なしつらいと組み合わせて、和洋折衷の美しい空間を生み出すことも。
そんな薪ストーブのインテリア性は、ストーブ単体で生まれるものではありません。木質系の内装に、モルタルやタイルで仕上げた無機質な土間スペース。そこに鎮座する薪ストーブの隣には、アイアン性のラックに積まれた薪。
こうした本物の素材が織りなすコントラストの美しさは、人工的なインテリアでは決して再現できません。
また、薪を乾燥・保管するための薪棚は、福井の四季の変化を背景に、一年を通してそれぞれ違う表情を見せてくれます。とくに今のような季節には、大きな雲が浮かんだ青空と新緑の中、整然と薪が並んだ薪棚の、素朴な佇まいを堪能できます。
これは、薪ストーブユーザーが冬に向けての備蓄を確認するような、原始的な満足感をもたらす時間でもあります。現代生活では味わうことの少ない、自然とつながった暮らしを実感できる瞬間――。
この薪棚は、実用的な機能も兼ね備えています。
高さは1.8m以内で設計されますが、これがちょうど隣家からの視線を遮るパーテーションとしての役目を果たしてくれます。薪の隙間から風や光が通り抜ける、圧迫感のない心地よい目隠し効果。
『薪アート』とは、薪の積み方を工夫したり、断面に絵を描いたりして、薪棚をアートのようにデザインすること。
これは数年前に、敦賀の中池見でつくられた薪アートの写真です。ペイントなしで、薪断面の色の違いだけでウサギが表現されています。
(画像引用:中池見ネット)
自宅の庭にこんな薪棚があったら、薪やストーブに対する愛着がより深まりそうですね。
リノベーションを機に薪ストーブを導入され、初めての薪ストーブと格闘しながら、薪ライフに没入していく方も、意外と少なくありません。薪ストーブを中心とした空間づくりは、暮らしに彩りをもたらし、住まい全体の価値を高めるための投資でもあります。
薪ストーブを、LDKのどこにどう配置するか。室内から、庭の薪棚がどう見えるか。さらに、薪棚を庭や外観デザインの一部としてどう見せるか。そんなことも考えながら、薪のある暮らしをプランニングしてみてください。
福井で薪ストーブを取り入れたリノベーションなら、永家舎へ!
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