暖かな季節を迎え、薪ストーブの出番も一段落。しかし、薪ストーブのある暮らしは一年を通して続いています。
「今シーズンはもう使わない」と決めたら、大切なメンテナンス時期の到来です。
半日ほどかけて、煙突の掃除やストーブ本体のクリーニングを行います。ちょっと手間に感じるかもしれませんが、これが次のシーズンで安全かつ効率的に薪ストーブを使用するための、大切な作業なのです。
セルフメンテナンスに挑戦する方もいますが、専門業者に依頼することもできます。とくに高所での煙突掃除は、安全面を考えてプロに任せるのも賢明な選択です。費用はだいたい2〜3万円(月換算で約2千円)ほど。ストーブのパフォーマンスを最大限に引き出すための投資と考えれば、決して高い金額ではないでしょう。
また、プロによるメンテナンスは単なる掃除だけにとどまりません。薪の燃やし方が適切かどうかを灰や内部の状態から判断し、より効率的な使用法についてのアドバイスも受けられます。
毎年でなく、2年に1回の頻度でもかまいません。まずは、シーズンオフにはしっかりとお手入れする習慣をつけることが大切です。
さらに、ストーブから取り出した灰はただ捨てるのではなく、畑や菜園にまいて肥料として活用するなど、循環型の暮らしがどんどん広がります。
薪を集め、カットし、薪棚に積んで乾燥させる――。
このサイクルを把握し、安定した薪の生産体制を整えることができれば、毎年、火入れの季節がきても薪不足に悩まされることはありません。
福井の豊かな森林資源を活かした薪ストーブ生活は、家庭内で資源を循環させるだけでなく、『地産地消』として地域の林業サイクルにも貢献する、持続可能な取り組みでもあります。
日常のひとコマであり、家族みんなで楽しめる健康的な趣味の活動であり、さらには社会への小さな貢献にもなる、薪ストーブのある暮らし。とくに小さな子どもたちにとっては、自然と触れ合いながら自然エネルギーについて学べる貴重な体験の場にもなるでしょう。
なお、薪割りは意外と重労働です。かなり汗をかく作業なので、真夏の作業は避けて、涼しくなるのを待ちましょう。
薪ストーブは、火を使うだけのものではありません。炎の余韻に浸りながら、「ありがとう」の気持ちを込めてお手入れし、寒い冬に備えて薪を準備する――。
一年を通じて火と向き合う、この循環の中に、現代では忘れがちな“自然と共に生きる豊かさ”が息づいています。
もし、日々の暮らしに物足りなさを感じているのなら、“薪ストーブのある家”へのリノベーション計画、始めてみませんか?
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