ある程度の年齢になってリノベーションを考え始めると、直接的な目的がバリアフリー化でなくとも、どうしても将来のことを考えてしまうものです。
50代ともなると、「ご両親の介護を経験した方」「すでに見送った」という方も、かなり多くいらっしゃいます。その経験から「いずれは自分もその立場になるのだろう」という思いが自然と脳裏をよぎります。
リノベーションは規模が大きいほど、予算配分が重要になってきます。
どこからどこまで手を加えるか、何にどこまでこだわるのか。優先順位を明確にしながら、慎重に計画を進めていかなければなりません。
(『
リノベーションの優先順位を考える』参照)
なかでも、バリアフリーというのはデリケートな問題です。
「車イスでの生活になったら施設に入る」と決めている方もいれば、「最期までずっと家で過ごしたい」という強い思いを持っている方もいらっしゃいます。
そんな、それぞれの想いに応じてバリアフリー化の程度を調整していく。それも、私たちの仕事です。
最低限のバリアフリー対応として永家舎が徹底しているのは、家のなかの扉という扉をすべて引き戸にするということ。
万が一、車いすでの生活になった場合。開き戸が多いと、それを開閉するのに大変な労力を要するからです。もちろん、入り口の寸法や廊下の幅も、できる限り車いすで通れる幅を確保します。
段差の解消や手すりの設置はあとからでも簡単にできますが、開口部や廊下の幅を広くするという工事をあとから行うのは大変ですからね。
「ずっと」の長さは人によって違います。だからこそ、現在の健康状態に関わらず、将来を見据えた設計として「今やっておくべきこと」を見極めることが大切なのです。
さらに言うと、バリアフリーは物理的な障害をなくすことだけをいうのではありません。心のバリアをなくすことも、同じくらい大切です。
それも介護をされる側だけでなく、介護をする側にとってのバリアフリーも考えていかなければなりません。
介護を経験すると、多くの方は将来の自分の姿を想像し、家族にかける負担に不安を抱きます。だから、物理的な準備だけでなく、心の準備も含めたバリアフリーを考えてあげる必要があるのです。
物理的なバリアだけでなく、心のバリアも取り除き、より豊かな老後を実現するための第一歩。それが、永家舎のリノベーションです。
私たちはこれからもお客さま1人ひとりの想いに寄り添い、未来を見据えたリノベーションで、あなたが思い描く「ずっと」を支えていきたいと思っています。