日本の伝統的な家屋には、必ず『縁側』があります。
縁側はただの廊下ではなく、さまざまな役割を備えた場所。とくに冬場は縁側が室内と屋外の緩衝材となって、福井の厳しい寒さを和らげてくれます。
何より、四季の移ろいを楽しむ特等席として、縁側は長きにわたり日本人の暮らしに寄り添ってきました。
この価値ある空間を現代の暮らしに合わせて活用するには、どうしたらよいのでしょうか。
和室をそのまま残す場合は、それに付随する縁側もそのまま残す場合がほとんどです。
ワークスペースとしての機能をもたせたり、収納スペースを増設したりすることもあります。
旅館のようにイスとテーブルを置いて、くつろぎスペースとして使用してもいいですね。
減築して軒下空間に
奥行半間できちんと区画された縁側は、構造に手を加えず減築できる、ちょうどよいスペース。
減築によって新たにつくられた深い軒下空間は、家の中と外の緩やかなつながりを保つ場所として、日々の暮らしに彩を添えてくれます。
BBQもできますし、庭で採れた土付き野菜の保管場所としても。
いちばん多いのは、仕切りをなくして室内と一体化させる方法です。
もともと縁側は、住まいの中でもいちばん日当たりや眺めのよい場所にあります。その好条件を活かし、大きな窓とデッキで庭とのつながりを。あるいは、腰窓にして『ヌック』をつくってみる。
昔も今も変わらない、そして縁側がなくなっても変わらない、暮らしの豊かさの本質として、こういった手法は現代の住まいづくりにも取り入れていきたいですね。
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