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『蔵』を住居として改修するうえで必要なこと

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『蔵』(=土蔵)といえば、家財などを安全に保管しておくための頑丈な建物、つまりは物置きです。

しかし昨今、そんな蔵の雰囲気を気に入ってリノベーションし、店舗や住居として再活用される方が増えています。



蔵の構造はかなり特殊で、防火を目的としていることもあり、土壁の厚みはなんと20センチ以上。柱の間隔も、一般的な木造住宅の半分程度という狭さです。
 
柱の間隔が狭いということは、窓を大きくとりにくいということ。つまり、採光を得にくいということです。
かといって、その建物を支えるためにこのような構造になっているのですから、「採光のため」といって安易に柱を抜くわけにはいきません。
通常のリノベーションよりもさらに制限のあるなかで、「柱の間隔が狭い」というデメリットをメリットに変えていかなければならないのです。



なかには「ほの暗い空間の方が落ち着く」という方もいらっしゃいますが、多くの方は明るいリビングを好みます。大きな掃き出し窓がとれないのなら、 ほかの方法を考えてみる必要があるでしょう。
たとえば、屋根にトップライト(天窓)をつける。積雪の多い地域であれば、ガラス瓦を使うという方法もあります。
柱はそのままで、出窓のように外側に張り出した窓をつくるというのも面白いかもしれません。柱と柱の間から漏れ入る光も、また一興です。
 
そして、蔵を住宅向けにリノベーションする、もうひとつのデメリット。
蔵はあくまでも物置ですから、面積は小さめです。壁が分厚いので、余計に狭さを感じます。
そんなコンパクトな空間をどう使うか、どう見せるかが課題となります。
 
また、蔵はその性質上、外気の影響を受けにくい造りにはなっていますが、それでも住まいとしての快適性を高めるためには、性能面での配慮も必須です。
永家舎では蔵を子世帯の住まいにリノベーションするケースが多いのですが、蔵をひとつの世帯の住居として使用するためには、やはりそれなりの工夫が必要になりますね。



蔵の魅力といえば、なんといってもその趣あるデザイン。
重厚感ある佇まいと、どこか小粋なレトロ感。
蔵を再利用するためには、素材のよさ、本来の持ち味を活かすセンスも求められます。
 
土蔵をつくるには手間も時間もかかるため、今は貯蔵庫といえば手っ取り早くコンクリートが使われますが、今ではつくるのが難しい建物だからこそ、安易に壊したり、放置したりするのではなく、手を加えながら大切に維持していきたいですね。
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